上部消化管グループの紹介と特徴

上部グループは、食道や胃、十二指腸を専門領域として診療を行っています。主な対象疾患としては、胃がん、食道がん、消化管間質性腫瘍や頭頸部がんなど、幅広い疾患を取り扱っています。
我々が主に診療を行う胃がん、食道がんという疾患は、がんの進行の程度によって臨床病期(ステージ)で分類され、早期に発見された患者さんほど治りやすいことが分かっています。我々は、内視鏡を用いてがんを早期に診断すること、より体への負担を少なくがんを治すこと、がんやがん治療に伴う辛い症状を緩和することを目標に診療を行っています。患者さんを中心に、一般・消化器外科、放射線治療科等と連携してキャンサーボードを実施し、患者さんへの負担が最も少なく、最良のがん診療を提供することを日々心がけています。治療の際には十分な説明(インフォームド・コンセント)によって、患者さんご自身がご自分の病気をよく理解されたうえで治療を開始することを念頭にしています。

代表的な治療

我々が行う上部消化管腫瘍の治療には主に内視鏡治療や全身化学療法(抗がん剤治療)があります。内視鏡治療では早期胃がん・食道がん・十二指腸腫瘍に対して積極的に治療を行っております。また、放射線治療後食道癌の患者さんを対象に、低侵襲な局所治療として光線力学療法(PDT)も行っております。
全身化学療法では、世界の最新エビデンス(科学的根拠)に基づいた全身化学療法の提供ならびによりよい標準治療を確立するため、標準治療をベースとする新規併用療法の開発を日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の参加施設として行っています。さらに進行胃がん、食道がんの治療向上のため、集学的がん診療センターと連携し、がん遺伝子パネル検査相談外来にて専門の医師が担当し、患者さんおよびご家族のがんゲノム医療に関する相談や質問にお答えする、がんゲノム医療に関するセカンドオピニオン外来も行っております。詳しくは、北里大学病院ホームページにある診療科ご案内「がん遺伝子パネル検査相談外来」をご参照ください。

最近では患者さんのニーズにお答えするため、臓器横断的・職種横断的ながん治療を目指し低侵襲な手術も行っております。一般・消化器外科と合同で胃粘膜下腫瘍や胃癌に対する、腹腔鏡・内視鏡合同手術(LECS)や耳鼻咽喉科・頭頸部外科と合同で頭頸部癌に対する、内視鏡的咽喉頭手術 (ELPS)を行っておりますので、治療にお困りの患者さんがおられた際は、お気軽にご相談ください。

スタッフの紹介と臨床・研究実績