下部消化管グループの紹介と特徴

下部消化管グループでは、診療面では大腸癌やポリープの診断と内視鏡治療、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患の診断と内科治療を主に担当しています。
大腸癌の罹患率は男性では13人に1人、女性では11人に1人と比較的高率で、悪性腫瘍による死亡率でも女性は1位、男性は2位の疾患です。当グループでは主に早期大腸癌の内視鏡治療として内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行っています。また、下部消化管外科と連携し、進行大腸癌に対する大腸ステント挿入術も行っています。
炎症性腸疾患は腸管に潰瘍を伴う炎症を生じる原因不明の慢性疾患です。潰瘍性大腸炎やクローン病などの疾患があり、ともに下痢や腹痛、血便などで発症し、寛解期(症状がない状態)と活動期(症状がある状態)を繰り返すのが特徴です。根治的な治療法はなく、好発年齢が10代後半から30代と若年であることから長期にわたり通院・治療が必要になります。当グループでは潰瘍性大腸炎、クローン病の診療を行っております。潰瘍性大腸炎やクローン病に対する生物学的製剤治療や、クローン病に対しては非侵襲的に腸管狭窄や腸管炎症を評価できるMRエンテログラフィー(MRI検査)も導入し、腸管狭窄に対しシングルバルーン小腸内視鏡によるバルーン拡張術を行っています。その他の腸疾患の症例も多く、小腸疾患に対してシングルバルーン小腸内視鏡検査やカプセル内視鏡検査による診断や内視鏡的止血術などを以前から行っています。

代表的な治療

大腸腫瘍の内視鏡治療は内視鏡的粘膜切除術(EMR)か、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行っております。また、大腸癌の深達度を拡大内視鏡や超音波内視鏡を用いて診断しております。
炎症性腸疾患の内科的治療は5-ASA製剤やステロイド製剤、免疫調節・抑制薬、生物学的製剤、血球成分除去療法など多岐にわたり、それぞれ適応や治療法、治療効果、副作用などが異なります。当グループでは、疾患の重症度や合併症なども考慮した上で、患者様の生活様式やニーズに則した治療法を提案し、地域の医療機関と医療連携を取りながら治療を行っております。

スタッフの紹介と臨床・研究実績